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【コラム】教育ローンとは?メリットやデメリット、奨学金との違いを解説

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2022.09.30

子どもの将来に向けて、教育資金を準備しているという人は多いでしょう。しかしながら、さまざまな事情によって教育資金が想定内に収まらず、特に費用がかかる大学進学には貯蓄だけでは足りないというケースもあります。そんなときに頼りになるのが教育ローンや奨学金です。

この記事では、教育ローンの仕組みや奨学金との違い、それぞれのメリットやデメリット、教育ローンを検討する際の注意点について解説します。

教育ローンと奨学金との違い

教育ローンを検討する際に理解しておきたいのが、教育ローンと奨学金との違いです。子どもの教育資金目的にお金を借りるという意味では同じですが、両者には明確な違いがあります。

教育ローンとは、子どもの教育資金を目的として、親が借り入れるお金のことです。借入先としては、国が扱う教育ローン(日本政策金融公庫の教育一般貸付)と、民間金融機関が扱う教育ローンとに大別されます。

それに対して奨学金とは、教育を受ける子どもを支援する制度であり、子ども自身が債務者となって借り入れるお金のことです。奨学金は複数の団体が運営しており、その種類もさまざまですが、主なものに日本学生支援機構が運営している奨学金があります。

教育ローンと奨学金の主な違いは、以下の4つです。

  1. 借り入れる人(債務者)の違い
  2. 借入金の受け取り方法の違い
  3. 返済開始期間、最大返済期間の違い
  4. 金利の違い

1.借り入れる人(債務者)の違い

教育ローンを借り入れる人は親です。返済の義務も親が負うことになります。

一方で奨学金を借り入れる人は、学生(子ども)自身です。返済は卒業後から行われるのが一般的で、子ども自身が返済します。

なお、奨学金には「給付型」と「貸与型」の2種類があり、給付型の場合は返済の必要はありません。

2.借入金の受け取り方法の違い

教育ローンは入学金の準備などを目的として、まとまった資金を一括で受け取ることができます。一括受け取り以外にも、在学中に分割で受け取ることも可能です。

一方で日本学生支援機構の奨学金は、在学中に月々分割などで受け取る形になります。受け取り開始が大学入学後のため、入学金の支払いには間に合わないため注意が必要です。

3.返済開始期間、最大返済期間の違い

教育ローンの場合、返済は借り入れた翌月から開始されます。ただし在学中は元金据置(金利のみ返済する)を選択できる場合もあります。また、最大返済期間については以下の通りです。

  • 国の教育ローン:18年以内
  • 民間の教育ローン:10年~12年以内(金融機関によって異なる)

奨学金(貸与型)の場合は、在学中は返済が免除され、卒業後から返済が開始されます。返済期間は借入金額によって異なり、最長は20年です。

4.金利の違い

民間の教育ローン金利のほうが、国の教育ローンよりも高い傾向にあります。

奨学金(貸与型)には、無利子の「第一種奨学金」と、有利子の「第二種奨学金」があります。学力基準や収入基準が設けられ、第一種奨学金のほうが、基準は高く設定されています。

第二種奨学金の金利は「利率固定方式」と「利率見直し方式」から選択することになりますが、いずれも上限は3.00%です。

教育ローンのメリット

教育ローンと奨学金、どちらを選べば良いのか迷っている人は少なくありません。

それぞれのメリット・デメリットについて、十分に把握しておくことが重要です。

教育ローンのメリットは、以下の3点です。

  1. 将来子どもに負担を負わせずに済む
  2. 入学前から借り入れることができる
  3. 利用目的や借り入れ時期に自由度が高い

1.将来子どもに負担を負わせずに済む

教育ローンの債務者は親のため、返済義務も親が負います。子どもに将来の返済負担を負わせたくないという人にとってはメリットです。

2.入学前から借り入れることができる

教育ローンは、子どもが入学する前にまとまった費用を借り入れることが可能です。そのため、入学資金や一人暮らしをする際の敷金や礼金などの用途に充てることもできます。

3.利用目的や借り入れ時期に自由度が高い

金融機関によっても異なりますが、教育ローンは教育資金目的であれば広範囲で用途が認められ、自由度が高いといえます。また、民間の教育ローンであれば、大学に限らず中学や高校進学時の借り入れとしても活用できる場合もあります。

教育ローンのデメリット

メリットがある一方で、教育ローンのデメリットとして挙げられるのは、以下の3点です。

  1. 金利の負担が大きい
  2. 債務者に一定の収入が求められる
  3. 他社の借り入れ状況で審査が通らない場合もある

1.金利の負担が大きい

教育ローンは奨学金と異なり、借りた翌月から返済義務が発生します。在学中は元本据置となった場合でも、金利の負担は発生するため、貸与が終わるまでは利息が発生しない奨学金よりも金利の負担は大きくなります。

2.債務者に一定の収入が求められる

教育ローンは債務者である親の勤務先や勤続年数、収入などの状況を見て判断されるため、勤続年数が短い場合や年収が少ない場合には審査が通らない場合もあります。

3.他社の借り入れ状況で審査が通らない場合もある

キャッシングやカードローン、車のローンなど、他社の借り入れ状況によって審査に通らない場合もあります。収入に対し、月々の返済負担が大きい場合は注意が必要です。

奨学金のメリット

教育ローンと比べて、奨学金のメリットといえるポイントは、以下の3点です。

  1. 金利の負担が少ない
  2. 給付型奨学金であれば返済も不要
  3. 審査によって返済能力が問われない

1.金利の負担が少ない

在学中は無利息のため、教育ローンと比べると金利負担が少なくて済みます。返済が必要な貸与型奨学金において、第一種奨学金が受けられれば、利息の負担もありません。これは奨学金の最大のメリットといえるでしょう。

2.給付型奨学金であれば返済も不要

学力基準や収入基準はあるものの、給付型奨学金を受けることができれば、卒業後に返済する必要もありません。

3.審査によって返済能力が問われない

奨学金の目的は、経済的に進学が難しい学生を支援することにあります。よって、親の収入が少ない場合でも、審査によって返済能力を問われることはありません。

奨学金のデメリット

奨学金のデメリットは、以下の3点にあります。

  1. 返済が将来の負担になる
  2. 返済が遅れるとその後のローン審査が通りにくくなる
  3. 申し込み時期が限られる

1.返済が将来の負担になる

奨学金の返済は、借り入れた学生(子ども)本人が負います。在学中こそ返済義務はありませんが、卒業後は子どもが自分でコツコツと返済を行っていかなければなりません。

2.返済が滞るとその後のローン審査が通りにくくなる

奨学金の返済が延滞した場合は、信用情報に記録されます。その結果、クレジットカードの作成や車や住宅のローンを組みたい場合に、審査が通りにくくなる可能性があります。

3.申し込み時期が限られる

奨学金の申し込みは学校を通じて、定められた時期に行います。通年募集しているものではないため、その時期を逃すと申し込むことはできません。また、在学中に受け取るお金のため、入学前の準備費用として利用することはできません。

教育ローンと奨学金のどちらが向いている?

教育ローンと奨学金にはそれぞれにメリット・デメリットがありますが、自分にとってどちらが向いているのか気になるところです。

教育ローンと奨学金、それぞれの特徴に向いているのは以下のような家庭です。

教育ローンが向いている家庭

教育ローンが向いているのは、以下のような家庭です。

  • 子どもの教育資金に対し、まとまったお金が準備できていない
  • 2人目や3人目の子どもがいて、大きな入学費用負担などに不安がある
  • 勤務先の在籍年月が長く、安定した収入がある

教育ローンには審査がありますが、申し込み時期は限定されず、教育資金目的であればある程度用途は自由です。まとまった支出に不安のある家庭や、子どもが複数人いて教育資金準備に不安がある家庭には向いています。

奨学金が向いている家庭

奨学金が向いているのは、以下のような家庭です。

  • 経済的な理由で、子どもに進学を諦めさせたくない
  • 少しでも負担を減らしながら、教育資金を確保したい
  • 子どもの成績評価が高い

奨学金の目的は、経済的な理由で進学を諦める学生を支援することにあり、経済的に不安がある場合でも利用することは可能です。また、学力基準や収入基準によっては、返済が不要な給付型奨学金を利用できる可能性もあります。

教育ローン申込時における注意点

子どもの教育資金目的とはいえ、教育ローンも大きな借り入れです。申し込みを検討する際には、その後の返済負担なども考慮したうえで、ライフプランにおいて十分な計画を立てておくことが必要です。

教育ローンを申し込む際に注意しておくべきポイントを3つご紹介します。

  1. 用途は限定されていないか?
  2. 希望額の融資が受けられるか?
  3. 他社ローンが残っている場合は要注意

1.用途は限定されていないか?

金融機関によって異なりますが、教育ローンには対象となる用途が定められています。比較的自由度が高いのは特徴ですが、自身が希望する用途によっては、教育ローンの対象外となる可能性もあります。

申し込みを検討している金融機関が教育資金として認めている用途については、事前に十分に確認しておきましょう。

2.希望額の融資が受けられるか?

どのくらいの金額の融資が受けられるかは、事前に把握しておくことが大切です。

子どもの教育資金としては、入学金や授業料のほか、部活動費や下宿費などが挙げられます。事前に想定した以上の費用がかかる場合もあり、借りたのは良いが足りなかったという事態になり兼ねません。希望借入額についても、しっかりと計画しておきましょう。

3.他社ローンが残っている場合は要注意

住宅ローンやカーローン、キャッシング、カードローンなど、他社の借り入れがある場合には注意が必要です。

借り入れの審査基準として重要なポイントに、返済比率という指標があります。返済比率とは、年収に対する年間の返済額割合のことで、一般的に30%を超えると審査に通りにくくなるといわれています。

借入額を検討する際には、この返済比率を考慮することも重要です。また、ローンを申し込む前には、可能な限り他社借り入れは減らしておきましょう。

教育ローンと奨学金の併用は可能?

教育ローンと奨学金はそれぞれ別の制度ですが、両方を併用することは可能です。

入学金などまとまった費用には教育ローンを、授業料や生活費など在学中に必要な費用には奨学金を活用するなど、両方を上手く使い分けることで、より効率的に教育資金を準備できます。

併用すれば教育ローンの借入額を抑え、金利負担を減らすことができます。借入額は慎重に検討しましょう。

まとめ

大切な子どもの将来のために、教育資金を備えることは親の責任のひとつではありますが、親の収入や子どもの人数など、家庭の環境には個々の事情があります。ご自身のライフプランに合った、将来的にも無理のない対策が欠かせません。

また、直前で悩むことがないよう、子どもが小さいうちに学資保険や定期預金などを活用して教育資金の準備を行っておくことも大切です。

こうした準備として、教育ローンや奨学金はしっかりと理解して上手に活用しましょう。