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【コラム】我が家の貯蓄額は適正?年代別の貯蓄額平均と資産形成方法、収入と支出の見直し方法とは?

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2022.11.29

自身の貯蓄額は年代に応じて適正なのか、周りがどのくらい貯蓄しているのか、気になっている方も多いでしょう。

比較する際は、「平均値」に注目する方が多いかもしれません。しかし、データの総和をデータの工数で割ったものを指す「平均値」ですが、これだけ見ても一般的な世帯の実態は計れません。なぜなら他よりも飛び抜けて高い数値がデータ内にあれば、平均値を大きく上昇させてしまうからです。

そのため貯蓄額の平均だけでなく、全世帯の中位に位置するデータ「中央値」に着目することは重要です。これは中央値であれば、飛び抜けて高い数値がデータ内にあったとしても全体に大きく影響しないためです。

本記事では、年代ごとの資産形成の方法や貯蓄額の平均(平均値と中央値)、また貯蓄を殖やすために必要な収支の見直し方法について解説します。なお、本記事では単身者を除く、二人以上世帯を対象とします。

どうやって資産を形成してる?年代別の金融資産保有状況

資産形成の方法としては、株式や投資信託、保険など様々な選択肢があります。

各世代とも、預貯金の割合が突出していますが、将来に向けてどのような配分で資産を形成しているのか、総務省の家計調査(2021年度)をもとに、年代ごとの金融資産の内訳を見ていきましょう。

20代の金融資産保有状況

20代が保有している金融資産の内訳は、以下のとおりです。

  • 1位:預貯金(定期預金含む) 64.3%
  • 2位:生命保険など 19.3%
  • 3位:投資信託 8.2%
  • 4位:株式 4.1%

結婚や出産など、人生で重要なライフイベントの発生機会が多い20代は、もしもの時にすぐに準備できる流動性の高い預貯金の割合が高くなっています。

将来に向けて早い段階から資産形成を行うことは有効です。会社の持株会や企業型DCなど、利用しやすい方法を活用して資産形成を行う20代も増加傾向にあります。

30代の金融資産保有状況

30代が保有している金融資産の内訳は、以下のとおりです。

  • 1位:預貯金(定期預金含む) 70.5%
  • 2位:生命保険 15.9%
  • 3位:株式 6.3%
  • 4位:投資信託 3.5%
  • 5位:貸付信託・金銭信託 0.4%

金融資産の内容は20代とそれほど大差ありませんが、その内訳には変化が見られます。流動性の高い預貯金で子育てや住宅資金を確保しながら、資産形成として株式を選択する方が増えています。また、20代と比較すると財形貯蓄の利用も増えています。

金融商品では企業型DCやiDeCo、NISAなどの制度を利用しながら、子どもの将来や自身の将来を考慮して、安全性を重視した資産形成を行っている傾向が見られます。

40代の金融資産保有状況

40代が保有している金融資産の内訳は、以下のとおりです。

  • 1位:預貯金(定期預金含む) 62.7%
  • 2位:生命保険 21.0%
  • 3位:株式 6.8%
  • 4位:投資信託 4.2%
  • 5位:債券 0.6%(※1)

40代に入ると、将来を考慮した資産形成の意向は一層高まります。子どもの教育資金や将来に向けた老後資金の準備として、より積極的に金融商品を活用しようという方が増えています。

また、健康に関する不安も高まる年代であるため、家族への責任を果たすべく生命保険を重視する方が増える傾向も見られます。

どのくらい貯めてる?年代別の貯蓄額の平均値と中央値

他の世帯がどのくらい貯蓄を持っているか気になるところです。ここでは年代ごとの貯蓄額について、平均値と中央値について解説します。

参考データとして、金融広報中央委員会の「家計の金融行動に関する世論調査(2021年度)」における、貯蓄額の平均値と中央値を見ていきましょう。20〜70代の平均は以下のとおりです。

  • 平均値:1,563万円
  • 中央値:450万円(※2)

20代の貯蓄額

  • 平均値:212万円
  • 中央値:63万円(※3)

社会人としての期間も短い20代は、全年代の貯蓄額と比べると少ないのが実態です。ただし、手取り収入からの貯蓄割合はどの年代よりも高く、子育てなどにお金がかからない20代のうちから貯蓄体質を作っておくことは大切です。

30代の貯蓄額

  • 平均値:752万円
  • 中央値:238万円(※4)

令和3年の家計調査から見て、20代に比べて収入が増えることで貯蓄額の平均と中央値が大幅に上がっていると考えられます。

また第一子を出産する年齢の平均が30歳前後であることから、子どもがまだ小さく、子育てにそれほど大きな支出がない30代の間はお金が貯めやすい時期であるといえるかもしれません。

40代の貯蓄額

  • 平均値:916万円
  • 中央値:300万円(※5)

30代と比べると増えていますが、20代から30代の伸びと比べると鈍化しています。年収については20代から30代よりも30代から40代の方が大きく伸びているため、子育てや住宅にかかる費用が増え、なかなか貯蓄を進めるのが難しい時期であることがわかります。

また、30代よりも平均値と中央値の差が広がっており、これは貯蓄ができている世帯とできていない世帯との差が広がっていることを意味します。

このままでは貯蓄の差は開くばかりになり、教育資金や老後資金に影響を与える可能性が高くなるため、貯蓄体質を整えておくことが重要です。

毎月の貯蓄額の平均

毎月どのくらい貯めれば良いのかわからず、漠然と貯蓄を行っている方やそもそも貯金が苦手という方も少なくありません。

ここでは毎月の貯蓄額の平均について見ていきましょう。

若い年代ほどお金は貯めやすい

金融広報中央委員会の「家計の金融行動に関する世論調査(2021年)」によると、年代ごとの年間手取り収入からの平均貯蓄割合は以下のとおりです。

  • 全年代:11%
  • 20代:17%
  • 30代:14%
  • 40代:12%(※6)

国税庁の民間給与実態統計調査(2020年)によると、全年代の平均年収は433万円となっています。貯蓄割合を11%とすると、年間の貯蓄額は約48万円、月間では約4万円の計算です。

貯蓄できる割合は年代が若いほど高くなる傾向にある理由としては、収入が低いために貯蓄割合が高くなることも考えられますが、上の年代と比べると子育てや住宅にかかる支出が少ないことも理由として挙げられるでしょう。(※7)

どのくらい貯めるのが理想?

将来への不安を払拭するためには、毎月どのくらい貯めるのが良いのでしょうか?ここでは具体的な貯蓄のシミュレーションや、資産運用方法についてご紹介します。

年収の20%を貯蓄できた場合のシミュレーション

たとえば、年収の20%を貯蓄するとします。

全年代の平均年収である433万円の20%は約86万円、月間にすると約7万円の貯蓄です。毎月7万円の貯蓄を30年継続できれば、貯蓄額は2,520万円になります。

子どもの人数や生活水準によってこの金額で、十分な生活ができるかどうかは変わりますが、早めに貯蓄体質を身につけておくことで、将来のライフプランから逆算し、貯蓄をしていくという体制を築きやすいのではないでしょうか。(※8)

目標を定めて貯蓄を殖やす

将来に向けて具体的な金額をゴールに定めて逆算し、貯蓄をすることも大切です。

文部科学省の調査によると、子ども1人あたりにかかる教育費の合計は、全て公立でも約800万円、全て私立で約2,200万円に上るといわれています。(※9)

たとえば、子どもが生まれ大学進学までの18年間で1,000万円の教育費を貯めたいなら、1,000万円÷18年で毎月約4.6万円の貯蓄が必要です。

また、2019年には金融庁による「老後2,000万円問題」で老後資金準備が注目されました。老後を迎えるまでの30年間で2,000万円の老後資金を貯めたいなら、2,000万円÷30年で毎月約5.5万円の貯蓄が必要になります。

単純計算して、30歳から30年間で教育資金と老後資金を貯めようと思った場合は、18年間は毎月10.1万円の貯蓄が必要であり、その後の12年間で毎月約5.5万円の貯蓄が必要であることになります。

資産運用手段を活用する

教育費や老後生活に向けた資金準備の全てを、預貯金で賄うのは難しいかもしれません。そのようなときに投資信託などの金融商品や、つみたてNISAやiDeCoなどの制度を活用し、資産運用によってお金を増やすことを視野に入れることも得策です。

こうした資産運用手段は、長期運用によって複利の効果が期待できるため、貯蓄をより効率的に殖やすことが可能です。ただし、運用結果は自己責任であるため、運用リスクも十分に考慮したうえで活用しましょう。

収入と支出のバランスを見直すには?

積極的な貯蓄を行うためには、収入と支出のバランスをしっかりと見直し、毎月貯蓄が継続できる体質を整えていくことが重要です。

とはいえ、急に収入を増やすことは困難です。まずは毎月の支出を見直し、貯蓄ができる余力を作っていくことが、貯蓄体質改善への第一歩となります。

住居費は収入の30%以下が理想と言われている

支出の大部分を占める住居費の負担は、大きくなると収支を圧迫します。持ち家や賃貸を問わず、収入の30%以下に抑えることが理想です。手取り月収が30万円の人であれば、住居費の目安は10万円以下ということになります。

ローンを組んで住宅を購入する場合の毎月の返済額は、収入の30%を超えないのが目安です。また賃貸住宅の場合、家族が増えて引っ越しを検討する場面においても、家賃が過大になりすぎないよう注意しましょう。

電気やガス料金の見直し

電気やガス、水道は重要なライフラインであり、その支出負担は毎月かかる固定費です。この毎月の固定費を抑えることが、収支のバランスを改善する上でも大切です。

最近では電気やガスの自由化が進み、参入する民間企業が増えています。家族の人数や在宅時間など使用量にもよりますが、見直すことで毎月の料金を引き下げることが可能になります。

保険やスマートフォンの契約も見直す余地あり

毎月の固定費でいえば、民間の保険会社に支払う保険料やスマートフォンの利用料金などにも注目しましょう。

民間の生命保険などは、ライフステージの変化に応じて見直しを図ることで無駄な保障を省け、月々の負担を軽減できる可能性があります。また、スマートフォンの利用料金も、大手キャリアから格安SIMに切り替えれば、プランや通信会社によりますが、通信品質を落とすことなく料金を引き下げることが可能です。

まとめ

目的は世代によって異なるものの、どの世代でも将来を見据えて貯蓄を行うことはとても大切です。各世代の平均値を参考に、自分に合った方法で資産形成を進めていきましょう。

また、積極的な資産形成を行うためにも、家計収支の見直しは必要不可欠です。無理なく続けられるよう毎月の固定費を削減し、貯蓄体質を身につけましょう。