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【コラム】医療保険とは?仕組みや女性向け保険の特徴と選び方を紹介

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2022.12.20

医療保険とは、病気やケガで通院・入院するときに医療費の負担を軽減するための保険です。

日本の医療保険は国民皆保険制度による公的医療保険と、任意で加入する民間医療保険の2種類に分けられます。

民間医療保険は、公的医療保険よりも多くの保障を持ちたい場合、条件に合うものへ加入しますが、保障内容は様々なため、悩んでしまうことも多いでしょう。

そこで今回は、多くの方が疑問を抱く民間医療保険について、近年多い女性向け医療保険の特徴や選び方も含めてご紹介します。

民間医療保険とは

民間保険会社が販売する保険商品です。医療費の自己負担分を補填するほか、保障内容によっては公的医療保険でカバーしきれない先進医療費や、下記のような入院費用を補助できます。

民間医療保険の入院保障

  • 差額ベッド代(自己都合の場合)
  • 食事代(一食460円)
  • 消耗品(タオル・洗顔・歯ブラシ、パジャマのレンタル、お見舞い者の交通費など)

差額ベッド代とは、少人数部屋や個室を使用した場合にかかる費用のことで、平均(1日)は6,258円。※1

これらが全額保障されるわけではありませんが、入院保障の中から、差額ベッド代や食事代、消耗品などの一部が支払えるでしょう。

また入院が長引けば、当然収入は減少します。こういった場合の経済的負担の軽減のためにも、民間医療保険に加入する価値はあるといえます。

民間医療保険の支払い限度日数

医療保険に加入する際は、支払い限度日数を設定する必要があります。

支払い限度日数とは、一度の入院で入院給付金を受給できる上限日数のことを指します。40日型や60日型、120日型など、種類はさまざまです。

具体的に50日間入院した場合、60日型であれば、50日分の入院給付金を受給できますが、40日型であれば40日分しか受け取ることができません。

厚生労働省が発表しているデータによると、平均在院日数は「病院」が33.3日、「一般診療所」が19.0日です。年齢が上がるごとに平均在院日数は伸びる傾向にあり、傷病別に見ると精神及び行動の障害や、神経系の疾患などは長い傾向にあります。※2

支払い限度日数を決める際は、貯金から医療費にあてられる金額と医療保険金額の2点を考慮することをおすすめします。支払限度日数を多く設定すると、その分保険料も高くなるため、医療費の全額を保険で賄おうと考えると、保険料で家計を圧迫する恐れがあります。

なお一般的に、保険期間中の支払い限度日数については「通算で1000日まで」などの上限が定められています。また退院の翌日から180日以内に同様の原因や、医学的に重要な関係のある病気で再入院した場合は、連続した1回の入院としてカウントされるなど、保険会社や保険商品によって支払い条件は様々であるため加入前に把握しておきましょう。

民間医療保険の日額タイプ

ケガや病気をして入院した場合、入院保障として1日に決められた給付金を受給できます。

具体的な日額としては5,000円や10,000円などさまざまです。日額を5,000円に設定した場合は、10,000円に設定した場合に比べ、保険料を安く抑えることができます。しかし入院が長引いた場合や、入院により給与が減った場合は負担が重くなるため注意が必要です。

また日額を10,000円に設定した際は、5,000円に設定した場合と比べて入院給付金のみに限らず手術給付金なども増額されることがあるため、病気やケガを負った際の負担は軽減されます。しかし当然、保険料の負担は大きくなります。

上述したように日額5,000円と10,000円には、それぞれメリット・デメリットが存在します。自身の預貯金や入院時の収入などの経済状況を考慮し、検討することをおすすめします。

民間医療保険の一時金タイプ

民間医療保険には入院日数に関係なく、定額が支払われる一時金タイプが用意されている場合もあります。

一時金タイプのメリットは、たとえ短い期間の入院であったとしても一時金が受け取れる点にあります。しかし入院期間が長期になった場合は費用が足りなくなる可能性もあるため、この点はデメリットといえるかもしれません。

民間医療保険の種類

民間医療保険は次の2種類に分類されます。

  1. 終身医療保険
  2. 定期医療保険

1.終身医療保険

保障期間が一生涯で、保障内容や保険料の経年変化がありません。

加入時の保険料は定期医療保険よりも高く、高齢になると定期医療保険よりも安くなるのが一般的です。

2.定期医療保険

保障期間が定められており、保険料は更新のタイミングで変化します。

保険を更新する際に内容を見直せば、年齢や家庭環境などにあった保障に最適化できるでしょう。しかし見直しをする際には健康状態の告知が必要となり、場合によっては見直しが出来ない可能性があるため、内容を変更せず更新をすることとなります。なお保険料は更新時の年齢で計算されます。

また、80歳以上は更新できない商品もあるので注意が必要です。

加入時の保険料は終身医療保険よりも安く、高齢になると終身医療保険よりも高くなる場合もあります。

持病がある方が申し込みやすい医療保険の特徴

持病や過去の病歴、手術歴などが原因で通常の医療保険にお申込みが難しい方は、以下の医療保険であれば申し込みしやすくなります。

  1. 引受基準緩和型医療保険
  2. 無選択型医療保険

1.引受基準緩和型医療保険(限定告知型・選択緩和型)

保険加入時に必要な健康状態の告知項目数が3~5項目程度に限定された保険です。

告知の項目数が6~9項目程度である通常の保険と比較して、少ないのが特徴です。ただし、保険料は通常の医療保険よりも一般的には高くなります。

2.無選択型医療保険

保険加入時の健康状態の告知や医師の診断が不要であり、無条件で申込ができる保険です。

通常の医療保険と比べて保険料は高く 、保障金額よりも払込総額が上回ることもあります。

女性向け医療保険の特徴と選び方

民間の医療保険には通常の医療保険に加えて、女性特有の病気への保障を手厚くした(女性疾病特約付き)女性向け医療保険があります。

乳がんや子宮がん、卵巣がん、子宮筋腫、子宮内膜症など、女性特有の病気において特約が設定されています。

保険会社によって保障範囲が異なるため、自身のライフプランに合わせて慎重に選びましょう。

20代・30代での女性向け医療保険の選び方

20代から30代の女性にとって重視すべきなのは、環境や生活の変化です。

女性では20代から30代にかけて、子宮頸がんや乳がん、甲状腺がんが増えていきます。

具体的に20〜29歳では全がんに対して、胚細胞腫瘍・性腺腫瘍が16%、甲状腺がんが12%、30〜39歳では女性乳がんが22%、子宮頸がんが13%の割合を占めます。※3

妊娠・出産に関係する入院・手術では、通常の医療保険でもカバーできる場合があります。その他の疾病リスクの保障を通常の医療保険より手厚くしたい場合は、女性向け医療保険への加入を検討すると良いでしょう。

なお治療費や入院費だけではなく、生活費に充てられるような給付があると、さらに安心できるかもしれません。

40代・50代での女性向け医療保険の選び方

女性は40代〜50代になると、20〜30代よりもさらにがん患者が増えます。

特に子宮や乳房が部位の中で大きな割合を占めています。※4

そのため40代からは基本的な保障の他に、がん保険や介護保険も検討してみましょう。

また男性の平均寿命は81.47年、女性の平均寿命は87.57年と女性は男性よりも長生きする傾向にあるため、将来的に高額な保険料を支払うことにならないよう、終身医療保険を検討するのも良いかと思います。※5

入院時の経済的な不安を軽減するために、公的医療保険と併せて民間保険の検討を

医療保険は、病気やケガで入院をした際の治療費や、収入が減ってしまった際の経済的な補填をする役割があります。

また公的医療保険ではカバーできない差額ベッド代・食事代・先進医療に備えたい方や、女性特有の病気への保障を手厚くしたい方は、民間医療保険への加入を検討してみてはいかがでしょうか。

なお民間医療保険には一時金タイプや日額、支払い限度日数など考慮すべき点が多々あります。ご自身の健康状況や経済状況を鑑みて、最適な保険を選択しましょう。

出典

※1 「第422回中央社会保険医療協議会・主な選定療養に係る報告状況」(厚生労働省)(2022年11月23日に利用)

※2 「退院患者の平均在院日数等」(厚生労働省)(2022年11月23日に利用)

※3  国立がん研究センターがん情報サービス 小児・AYA世代のがん罹患率

※4 「平成30年 全国がん登録罹患数・率報告 p34」(厚生労働省健康局がん・疾病対策課)(2022年11月23日に利用)

※5 「令和3年簡易生命表を公表します」(厚生労働省)(2022年11月23日に利用)