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【コラム】3種類の住宅ローンの借入先と金利タイプ・返済方法を詳しく解説!

住宅ローン icon 住宅ローン

2022.10.20

マイホームの購入に大きく関係するのが住宅ローンです。しかし、種類が多すぎてどのような住宅ローンがあり、何が自分に合っているのかわからない方もいるでしょう。今回は、住宅ローンの借入先や金利タイプ、返済方法の種類や特徴、メリット、デメリットを紹介します。

住宅ローンの借入先3種類の特徴

住宅ローンの借入先は、大きく3つに分類されます。

  1. 公的融資
  2. 民間融資
  3. 協調融資(フラット35)

特徴や融資の条件がそれぞれ異なるため、これから住宅ローンを借りようと考えているなら、これらの違いについて理解することが重要です。

1.公的融資

公的機関による住宅ローンのことをいいます。現在利用できる公的融資には財形住宅融資や、一部の都道府県・特別区・市町村等が独自に設ける自治体融資があります。

財形住宅融資とは、財形貯蓄を1年以上継続していること、申込日前の2年以内に財形貯蓄の預け入れを行っていること、申込日における貯蓄残高が50万円以上あることの条件を満たした勤労者に、住宅購入やリフォームの資金を直接融資する制度のことです。

勤務先によっていくつかの窓口があり、利用条件はそれぞれ異なりますが、融資限度額は4,000万円または財形貯蓄残高の10倍のいずれか少ないほうになります。

財形住宅融資は金利が低く、5年固定で1%程度に設定される傾向にあるのがメリットです。また、年収や勤続年数が重視されない点も魅力でしょう。

一方、条件に当てはまる人が少なく、利用できる人が限られるのがデメリットです。特に財形住宅融資は、財形貯蓄制度がある会社に勤務しなければ申し込めないため、すべての人が使いやすい制度とはいえません。

自治体融資は、住民や勤労者の支援を目的に実施される融資制度で、一定条件を満たす住宅の購入、新築・増改築などを対象に融資が行われます。

その他にも、自治体が所定の金融機関でのローン利子を一定期間補給するなど、地域によって融資の条件や内容が異なります。また、自治体によっては制度そのものがない場合もあるため、自宅や勤務先がある自治体に確認しましょう。

2.民間融資

都市銀行や地方銀行、信用金庫、信託銀行、ネット銀行、住宅ローン専門会社、保険会社など、民間の金融機関が提供している住宅ローンのことです。

融資条件や金利、融資限度額等は金融機関や住宅ローンごとに異なります。民間融資の特色は、一定の条件を満たしていると金利が優遇されるケースがあることです。例えば、次のような場合、住宅ローンの金利が引き下げられることがあります。

  • 勤務先が上場企業や公務員として勤務している場合
  • 返済負担率が低い場合
  • 頭金を多く用意した場合
  • 物件の担保評価が高い場合
  • 住宅ローンを契約する金融機関の別のサービスを利用している場合

また、出産後の一定期間に金利が引き下げられる女性向けの住宅ローン商品や、8大疾病に対する保障が付いた住宅ローンなど、さまざまなローン商品が提供されています。

さらに、物件を扱う不動産会社と金融機関が提携した提携ローンなら、物件の担保価値の審査が終わっているため、審査結果が出るまでの時間が短く、手続きが簡単に済みます。

民間融資のメリットは、契約者や物件に沿って柔軟な対応がしてもらえることです。審査に通りやすくするために金利を高めにしたり、借入金額を減らしたりしやすいのは、民間融資の強みといえます。また多彩な住宅ローン商品が提供されており、選択肢の幅が広いのも民間融資の魅力です。

一方、ローン審査でのチェック項目が多いため、審査に落ちやすいのが民間ローンのデメリットです。別のローンで滞納していたり、年収や職業が一定でなかったりする場合は審査に通りづらく、高額融資は見込みにくくなります。

3.協調融資(フラット35)

複数の金融機関が連携して行う融資で、住宅金融支援機構と民間の金融機関が連携して提供するフラット35が有名です。

満70歳未満で日本国籍を持っている(永住許可または特別永住者も可)ことが借り入れの条件です。また返済負担率は年収400万円未満で30%以下、年収400万円以上で35%以下と定められており、100万円以上8,000万円以下の範囲で基準を満たした金額の融資を受けられます。

借入期間は15年以上で、上限は35年または80歳から申込時の年齢を引いた年数の短いほうです。銀行や信用金庫、生命保険会社など、多くの金融機関がフラット35の窓口となっており、金融機関によって金利や手数料が異なるため、事前の確認や比較が必要です。

フラット35のメリットは全期間固定金利型であることです。融資を受けるすべての期間で金利が固定されるため、返済計画やライフプランを立てやすいでしょう。また、保証人が不要で、繰上返済の手数料が無料であることもフラット35の魅力といえます。

一方、変動金利型と比較して金利が高い他、繰上返済の最低額が高い点がデメリットです。

3種類の住宅ローン金利タイプと特徴

金利タイプも以下の3種類に分類できます。

  1. 変動金利タイプ
  2. 全期間固定金利タイプ
  3. 固定金利期間選択タイプ

こちらも特徴やメリット、デメリットがそれぞれ異なりますので、理解しておきましょう。

1.変動金利タイプ

住宅ローンの借入期間中に適用される金利が変動する金利タイプです。半年に1回、金利が見直されるのが一般的です。

月々の返済額が5年間変動せず、5年後の返済額はその時点での金利や残高、返済期間から再計算されます。また金利見直し後の金利が大きく上昇した場合でも、直前の返済額から最大1.25倍までしか新しい返済額を設定できないルールがあり、返済負担が急激に増加するのを防いでいます。

変動金利タイプのメリットは、固定金利と比較して借入時の金利が低いことです。今後も金利が変わらない場合、返済額を抑えられる可能性があります。

一方、変動金利のデメリットは金利の上昇によって返済額が増えるリスクがあることです。

また、金利はどのように変動するのか予測が難しいため、返済計画や必要な貯蓄額がわかりづらいのも変動金利タイプのデメリットでしょう。

現状の低金利の恩恵を受けたい方には、変動金利タイプがおすすめです。

2.全期間固定金利タイプ

返済開始から完済まで借入金利が変動しない金利タイプのことです。

メリットは借り入れ時点で返済額が確定し、市場金利が変動しても住宅ローンの返済額に影響しないことです

一方、全期間固定金利タイプのデメリットは、変動金利タイプと比べて金利が高くなる傾向にあることです。また、後述の「固定金利期間選択タイプ」と異なり金利の見直しができない点もデメリットと言えるでしょう。

そのため全期間固定金利タイプは、総返済額が高くなったとしても、返済額を確定させて先の見通しを立てたい方や、金利の変動に不安を感じる場合におすすめです。

3.固定金利期間選択タイプ

返済開始当初の一定期間に金利を固定する期間を選択できる金利タイプです。固定金利期間が終了した後は変動金利に移行したり、固定金利を継続できたりします。

固定金利期間選択タイプのメリットは、金利が固定されている期間は金利変動の影響を受けないことです。また、固定金利期間終了後の金利が借り入れ時点の金利より低い場合は、それ以降のローン返済額が減る可能性があります。

一方、デメリットは固定金利期間中の金利が高くなる点です。市場金利が変わらなければ変動金利タイプを選択したほうが返済額を抑えられます。また固定金利期間終了後の金利が借り入れ時点の金利よりも高ければ、以降の返済額が増える可能性があります。

固定金利の安心感と、変動金利の低さ、両方を求める方にはおすすめの金利タイプです。

住宅ローンの2つの返済方式とは

返済方式は以下の2つに分類できます。

  1. 元利均等返済方式
  2. 元金均等返済方式

1.元利均等返済方式

元金と利息を合わせて均等に返済する返済方式で、毎月の返済額が変わらないのが特徴です。

借入金額3,000万円・借入期間35年・金利1%(全期間固定)・ボーナス払いなしの住宅ローンで返済方式が元利均等返済方式の場合、月々の返済額は8万4,685円で10年後も20年後も変動しません。

月々の返済額が常に一定となるため、返済計画が立てやすいのがメリットです。一方で、元金均等返済方式と比較して、住宅ローンの総返済額が多くなるのがデメリットです。

2.元金均等返済方式

住宅ローンの元金を返済期間で均等に分割したうえで、残高に応じた利息を上乗せした金額を支払う返済方式です。住宅ローンの初回の返済額が最も多く、その後返済額が減っていくのが特徴です。

借入金額3,000万円・借入期間35年・金利1%(全期間固定)・ボーナス払いなしの住宅ローンで返済方式が元金均等返済方式の場合、初回の返済額は9万6,428円、10年目の返済額が8万9,344円、20年目の返済額が8万2,201円となり、月々の返済額は減少していきます。

毎月一定額の元金を返済できるため、住宅ローンの総返済額が少なくなるのが元金均等返済方式のメリットです。

一方で、返済開始当初は月々の返済額が高くなる他、返済負担の大きさから年収などの融資条件が厳しくなる傾向にあるため、融資限度額が低くなりやすいのが元金均等返済方式のデメリットです。

まとめ

住宅ローンには、3つの借入先と3つの金利タイプ、2つの返済方式があります。住宅ローンを借りようと考えている方は、それぞれの特徴やメリット、デメリットを理解したうえで、利用する住宅ローンを選択することが重要です。

「住宅ローンの金利タイプの選び方や返済計画の立て方がわからない」「金利対応の選択が自分にとって正しいのか知りたい」などといった場合は、専門家への相談をおすすめします。